ピックの滑り止めはあった方がいい? メリット・デメリットを解説【ギター機材】

ピックの滑り止めはあった方がいい? メリット・デメリットを解説【ギター機材】

どうもギターを弾いているカールです。

今回のテーマは“ピックの滑り止め”です。

様々なピックがある中で弾いていると滑ったり吹っ飛んだりするのを防いでくれる滑り止めピックは多数のメーカーから販売されています。

そこで今回は実際に滑り止めが施されたピックのメリット・デメリットを筆者目線で簡単にまとめて行き必要なのか?どういう人が向いているのかを個人的意見で書いていこうかと思います。

滑り止めの種類

すでに滑り止め付のピックを使用している方も多いと思いますが実際に滑り止めがついているピックとはどういう物があるのかをまずまとめて行きたいと思います。

メーカーごとに呼び方や素材は異なるかもしれませんが使用していて違いを感じたのは大きく分けて3種類になります。

1:ロゴについたざらざら素材

ESP ( イーエスピー ) / PT-PSU08 ギターピック

ESP ( イーエスピー ) / PT-PSU08 ギターピック

ピックの滑り止めはメーカーのロゴに施されることが多いです。

その中でも違いがあるのですが国内メーカーに多いのがざらざらした滑り止めです。

紙やすりをイメージしてもらえるといいかと思いますが筆者的には紙やすりの400番かそれより少し荒めの印象です(伝わりづらいですね笑)

とにかくピック自体が違うというよりは同じ仕様のピックに後からざらざら素材の滑り止めをプリントしているイメージです。

国内ですとESPやMASTER8のINFINIX-U シリーズ、一部のIBANEZなどがこれに該当します。

MASTER 8 JAPAN ( マスターエイトジャパン ) / INFINIX-U TEARDROP with Hard Grip

MASTER 8 JAPAN ( マスターエイトジャパン ) / INFINIX-U TEARDROP with Hard Grip

Ibanez ( アイバニーズ ) / PA18XSG-WH

Ibanez ( アイバニーズ ) / PA18XSG-WH

IBANEZの場合はロゴが細いのでロゴマークというよりピッキングする場所以外に全体に施されています。

2:ゴム素材を使用した滑り止め

2つ目はゴム素材を用いた滑り止め加工です。

こちらは使っている素材は違えど1つ目に紹介したざらざら素材と同じピックに後から加工するタイプになります。

こちらはロゴに施している事もありますが半透明素材などを用いてピックの負荷のかかる部分をメーカー独自に考えピンポイントで加工していることが多い印象です。

MASTER 8 JAPAN ( マスターエイトジャパン ) / INFINIX HARD POLISH TEARDROP 0.8mm

MASTER 8 JAPAN ( マスターエイトジャパン ) / INFINIX HARD POLISH TEARDROP 0.8mm

パットみて普通ピックとあまり見分けがつきづらいものが多いです。

3:ピック自体を加工した滑り止め

最後に紹介するのは海外メーカー滑り止めの基本であるピック自体に加工を施したものです。

1,2で紹介したピックに後から加工するタイプと異なり、ピックに滑り止めのボコボコとした滑り止めをつけています。

ピック自体に加工が施されていますのでグリップ力の強さが特徴です。

JIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) / Prime Grip Delrin 500 0.71mm

JIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) / Prime Grip Delrin 500 0.71mm

JIM DUNLOPのピックの滑り止めは基本的にピック自体に加工が施されています。

JIM DUNLOPのほかにPICKBOYなどにも採用されています。

PICKBOY ( ピックボーイ ) / GP-77R 1.00mm

PICKBOY ( ピックボーイ ) / GP-77R 1.00mm

素材別の滑り止めの強さ

個人的見解ですが滑り止めと言っても素材によって若干滑り止めの強さ(グリップ力)が変わってきます。

メーカーによって変わるかもしれませんが

ざらざら紙やすり系★★★☆☆(普通)
ゴム、ラバー系★☆☆☆☆(弱め)
ピック自体に加工するボコボコ系★★★★★(滑らない)

ざっくりですがこんな感じです。

メリット・デメリット等でも詳しく書いていきますのでなんとなく頭に入れておいていただければと思います。

ピックの滑り止めのメリット

滑り止めといっても上記で紹介した以外にも様々なものがありますがここからは滑り止めがある事のメリット・デメリットを個人的にまとめて行きたいと思います。

まずはメリットから。

筆者自身の使用感も含めながらまとめて行きますので、ご自身が現在使っているピックと比較しながら読み進めていっていただければと思います。

メリットはもちろん滑らないこと!

当たり前ですが滑り止めというだけあって滑りません。

実際に演奏していると思いもよらないところでピックが吹き飛んでしまうことがあります。

それを未然に防げるのが滑り止めの最大のメリットです。

またスタジオではよくてもライブでは照明や環境、季節によって汗で滑りやすくなることがあります。

そんな時も滑り止めがあれば安心です。

滑らないという安心感が与えるピッキングへのメリット

滑らないという安心感は意外と大事で、自然と手に余分な力が入らなくなりリラックスしてピッキングする事にも役に立ちます

またピックが指の中で動きづらいため常に均一な角度でピッキングができます。

特にメタル系のザクザク刻む方などはJIM DUNLOPのMAX GRIPシリーズは全く滑らないので力づよいピッキングが可能になるかと思います。

ピックの滑り止めのデメリット

滑らない、均一な角度で弾きやすい等々メリットがたくさんある滑り止め付のピックですがデメリットもあると筆者は考えています。

そこでここからは滑り止めのデメリットをまとめて行きたいと思います。

滑り止めが素材によってはがれる

ピック自体が滑り止め加工されているピックはあまりありませんが、あとから加工されている紙やすりタイプやゴム素材のタイプは使用しているとはがれてくることがあります。

最少は良くても徐々にはがれていき中途半端なグリップ性になってしまうとピック自体はまだ使えるとしても微妙な手触りになります。

滑り止め効果もなくなりメリットがないので滑り止めがないタイプに比べてコスパが悪くなる可能性があります

素材によっては滑る

滑り止めなのに滑るとは矛盾ですが、筆者の場合ゴム素材の滑り止めは手汗で滑ります。

これは使用者によって大きく異なるのでデメリットでまとめてしまうのも良くないかもしれませんが、素材によっては合わないピックもあるというのがポイントです。

ピックを持ち直しづらい

滑らないためしっかりホールドできる反面

  • ピックを持ち直して深さを変えたい
  • 指弾きの使用頻度が高い
  • 色んな角度で弾きたい

とプレイスタイルによっては弾きづらいと感じる方もいるかと思います。

特にピックの深さなど微妙な調節を無意識にしている人はグリップ力が強いピックは違和感があるかもしれません。

滑り止めのあるピックが向いている人、向いていない人

さてここまでピックの滑り止めの大まかな素材の種類、メリット・デメリットをまとめて行きました。

ここからは実際に滑り止めのピックを使用するのに向いている人、向いていない人をまとめて行こうと思います。

ピッキングのスタイル、ジャンル等で書いていきますのでご自身のスタイルお比較して参考にしていただければと思います。

滑り止めのあるピックに向いている人

滑り止めのあるピックが向ている人の特徴は

  • 弾き語り系で曲中にストロークが多め
  • 順アングルでしっかり刻むメタル系
  • しっかり握って弾く
  • 指の屈伸を使わず均一な角度で弾く
  • 力強くピッキングしたい方
  • 厚め(1mm以上)のピックを使う方

になります。

もちろん個人の見解なので一概に全員当てはまるわけではないですが、基本的にしっかり握ってリフなどを力強くプレイする方は滑り止めのあるピックが向ていると思います。

個人的意見ですがしっかり握る人の方がピックが吹っ飛びやすいです。

リフレインなど繰り返し長時間ピッキングする方は滑り止め特にザラザラ系やピック自体に加工されているモデルを使用するのがおすすめです。

滑り止めのあるピックに向いていない人

一方で滑り止めのピックが向いていない人は

  • 指の屈伸で角度を頻繁に変える人
  • 比較的平行にピッキングする
  • ピックの深さを調節する人
  • ピックを握りこまない人

です。

先ほどと同じ内容になっていしまっていますが上記のようなプレイをする方は滑りづらいことが逆にデメリットになってしまうことが多いです。

もし多少グリップ感が欲しいなと感じている人はラバー系の素材を試してみるのがいいかと思います!

滑り止めのあるピックのおすすめ

ここまで滑り止め付のピックに関してたくさん書いてきましたが筆者が使ってみて良かった感じたものをいくつか紹介していきたいと思います。

JIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) / Primetone Jazz III Sculpted Plectra with Grip

JIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) / Primetone Jazz III Sculpted Plectra with Grip

ピック自体に加工が施されているタイプになります。

ULTEX JAZZⅢは以前よりユーザーが多いですがツルツルなので滑りやすいという理由で敬遠されていることがありました。

JAZZⅢ系の中では比較的新しいPrime Toneシリーズですがピッキングの抵抗を減らすベベル加工も施されていてなおかつMAX GRIPに近い滑り止め加工が施されているのでULTEXの明るい音色を保ったまま滑りづらくなっています

従来のULTEX JAZZⅢがいまいちと感じた方は試してみる価値ありかと思います。

DAVA ( ダバ ) / Jazz Grip Nylon

DAVA ( ダバ ) / Jazz Grip Nylon

従来のピックとは少し異なりピックを先端が一般的な素材で持つ部分はラバー素材という物です。

近年ユーザーが多く海外だとCory Wongが使用している事でも有名です。

実際の使用感は滑り止め加工ほど露骨ではないですが滑りづらくなおかつ厚みのわりにしなるのでコントロールしやすいです。

小さな違いかもしれませんが一度使うとハマる方も多いかと思いますので是非試してみてください!

JIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) / FREDRIK THORDENDAL NYLON PICK

JIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) / FREDRIK THORDENDAL NYLON PICK

筆者の大好きなメシュガーのギタリスト、フレデリック・トーデンダルのシグネーチャーになります。

現行のJIM DUNLOPのナイロンピックとあまり変わらないように見えますがシグネーチャーのロゴマークが驚くほど滑りません。

複雑な刻みにもしっかりと対応してくれます。

厚みもナイロン素材の1mm前後(0.96とかなんですが販売サイトでは1mmになってます)なのでアコースティックギター等にも合うかと思います。

価格が大幅に上がってしまっているので興味あるけど値段が…という方は通常のMAX GRIP、素材が異なりますがPrime Grip Delrinを試してみることをおすすめします。

素材別、滑り止め有り無しをいろいろ試してみてください

今回の記事はここまでになります。

ここまで書いたのはあくまで筆者の個人的意見ですがスタイルに合わせて参考にしていただければと思います。

ちなみに筆者はギターを始めたての頃はザラザラ系の滑り止め付のピックを使っていましたが最近は滑り止めなしのピックを使っています。

スタイルが変わることもありますのでピック選びに悩んでいる方は滑り止めがないタイプを使用している方はまず自分の使っているピックに近いもので滑り止めあり、その中でも素材を変えてみる。

滑り止めあるかは滑り止めの素材、近いピックで滑り止めなしなどいろいろ試してみるといいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

カール岡田のGuitar’s LABでは今回の記事以外にもギターに関しての記事がたくさんありますので是非合わせてチェックしてみください!

それではまた次回!